街の小さな病院や歯科に行くと、建物の周囲がガラス張りになっており、病院の情報やキャラクターなどがデザインされているのを見かけたことがあると思います。外に面している部分が全面ガラスに囲まれているテナントの場合、どのような看板デザインが適切なのでしょうか。
今回は、テナントのガラス部分を効果的に利用できる看板デザインをご紹介しますので、テナントの情報発信のあり方について参考にしてみてください。
クリニックなどはガラス面が多いことが特徴
病院やクリニックなどでは周囲がガラス面に囲まれていることが多いはずです。このような場合、ガラス面の全てをデザインで覆いつくしてしまうと、テナントの解放感が失われてしまい、かえって逆効果になる恐れもあります。
また、外から中が全く見えないと、中に入ることに抵抗感を覚えてしまうため、結果としてお客さんの足を遠ざけてしまうことがあります。
ガラス面の看板デザインは大きく使うことができますが、ガラス面と看板のメリハリが重要です。必要な情報は最大限発信しながらも、テナントの解放感を失わないように配慮することが求められるのです。
ガラス面を有効活用する具体的なツール
ここからは、ガラス面を有効活用する具体的なツールである、「カッティングシート」、「ステッカーシール」及び「インクジェット出力シート」についてご紹介します。
実際のテナントで応用できるツールですので、ぜひ参考にしてみてください。
カッティングシートで自由にデザインする
カッティングシートとは、その名の通りガラスの外側に貼って視覚効果を出すカラーシートのことであり、お好みのデザインにカットして利用することができます。
カッティングシートの利点は、ガラス面に貼ってもガラス全面を覆い隠すことはないため、程良く内装を見せることができる点で、病院などのほかに、美容室や飲食店、服飾店のテナントでも利用されています。
カッティングシートは他の看板設置費用に比べて安価です。専門の業者に依頼した場合、90センチ四方のシートでも2万円以下で発注することができるため、手軽に導入できることが魅力です。
耐久性抜群のステッカーシールで事業をアピール
ステッカーシールは、白色塩ビシートと呼ばれる雨などに強い素材で作られたシートにフルカラーインクジェット出力を行った後、デザインの輪郭をカットして張り付けるシールのことを指します。
ステッカーシールはガラス面以外にも車などに貼られ、水に強いため、長期にわたって使用する際にもおすすめです。
また、ステッカーシールはカッティングシートでは製作が難しい多色使いのロゴやフルカラーのデザインも1枚のシートで仕上げることができるため、お店のキャラクターや地図、複雑なロゴデザインを導入する際にも活躍するツールです。
インクジェット出力シートでポスターを設置しよう
インクジェット出力シートとは、屋外看板専用出力機で溶剤インクジェットを出力したシートのことを指します。一般的には専門の業者に依頼し、自分で貼り作業を行います。
また、インクジェット出力シートには①長期塩ビ、②電飾塩ビ、③厚手ターポリン・電飾PETシートの3種類の素材が存在します。
- 長期塩ビは、裏グレー色の外貼り仕様になっており、UVカットラミネート加工をすることにより、3年から7年ほど表面の美しさを保つことができますが、光を遮断するため、店内の様子が見づらくなったり、周囲の光度が落ちることには注意が必要です。
- 電飾塩ビは、長期塩ビとは異なり、光が透過するため、室内が明るく見え、室内灯などにより電飾看板のようにぼんやりと明るくなることが特徴です。
このような性質から、電飾塩ビはガラス面との相性が良く、多くのテナントで利用されています。 - 厚手ターポリン・電飾PETは、糊なしシートの表面に両面テープを付けてポスターのように貼るシートのことで、高所の窓など、外からの施工が困難な場所に利用することが一般的です。
また、厚手ターポリンはテント生地のため強度が高く、しわになりにくい素材を使用しています。一方、電飾PETは、シートにコシがあり、光を透過するため、ぼんやりと店内の様子を見せることができます。
このように、インクジェット出力シートは用途や場所に合わせて適切な種類を選択する必要があります。ご自身のテナントの立地条件や日照条件とも照らし合わせて判断しましょう。
まとめ
これまで見てきたように、ガラス面は適切なツールを用いることで、清潔感や解放感を失うことなく効果的な情報発信や集客が可能です。
ガラス面に看板を設置するには、お客さんの目線から外装を考えるとともに、プロである看板製作業者の担当者などと相談しながら設置作業を進めることをおすすめします。
ガラス面への看板設置は通常の壁面とは異なる戦略が必要です。今回ご紹介した注意点や看板設置ツールを参考に、ご自身のテナントのガラス面を効果的な情報発信の場として活用してみてください。