看板はお店の集客力を上げるために重要なツールです。しかし、周囲より目立たせるために闇雲にデザインするだけでは、お店の印象を落としてしまいかねません。
今回は、看板をお店の雰囲気に合ったようにデザインするためのヒントと、見落とされがちなフォントの重要性についてご紹介します。これからお店の看板を設置しようと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
集客における看板デザインの重要性
お店のことを知らない人が店内に足を運ぶかどうかは、看板によって左右されることもあります。手書き風のレトロな看板やミニマルなデザインの看板を見ると、人は「きっとお洒落なお店にちがいない」と思うでしょう。反対に、デザイン性に乏しいありきたりな看板では、そのようなお店のブランディング効果は薄れてしまいます。看板とお店の雰囲気にミスマッチが生じていると、集客に悪影響を及ぼすことさえあるのです。
看板はお店の顔であると同時に、知らない人にお店のことを知ってもらう名刺のような役割果たします。看板の設置は新規の顧客を獲得する営業活動の一環だと捉えれば、看板のデザインはお店の第一印象を良くするために重要な要素のひとつなのです。
看板のデザインで気を付けるべきポイント
ここからは、看板のデザインを検討するにあたり気を付けるべきポイントを3つにまとめました。デザインはお店の第一印象を決定する大きな要素となりますので、慎重に検討していきましょう。
お店のモチーフを考える
知名度のないお店であれば、まず自分のお店がどんなものを販売しているのかを人々に知ってもらう必要があります。お店のことを瞬時に理解してもらうためには、お店を象徴するイラストなどを添えると効果的です。
例えば、ラーメン屋の看板にラーメンのイラストが描かれていたり、カフェの看板にコーヒーやコーヒー豆が描かれているものを目にしたことがあるでしょう。このように視覚的にわかりやすいイラストを導入することで、「ランチするお店を探している人」や「休憩する場所を探している人」など、広いターゲットに対してお店へ誘導する効果が期待できます。
お店のターゲット層から逆算して考える
ほとんどのお店は、事業を行う上で性別や年齢など特定のターゲットを設定しているはずです。そのため、主なターゲット層が看板を見てわかりやすく、好感を持ちやすいデザインにすることが重要です。
ファッションや雑貨を扱う若者をターゲットとしたお店であれば、流行を意識したお洒落なデザインが好まれるでしょう。反対に、ターゲット層が比較的高齢であれば、文字は読みやすく大きく、情報は最小限にとどめておいた方が得策です。
このように、店内の内装や商品だけでなく、看板のデザインもターゲットとなるお客さんの立場に立つことが、集客や売上につながっていくのです。
意外と重要!?看板の文字レイアウトと書体選び
お店の看板は、イラストや配色だけでなく、実はフォントの選択も印象を左右する重要な要素のひとつです。
ここでは、「ジャンプ率」と「書体」に焦点を当て、より良いフォント選びのヒントとなる情報をご紹介します。
看板の読みやすさを左右する「ジャンプ率」
ジャンプ率とは、文字サイズに対する見出しの文字サイズの比率のことを言います。本文に対して見出しが大きいとジャンプ率が高くなり、反対に本文と見出しの大きさに差が少なければジャンプ率は低くなります。
看板の場合は、店名や扱っている商品名が見出しとなると考えられるので、それ以外の住所や電話番号、補足説明文との差が大きければジャンプ率の高い看板となります。
看板のジャンプ率は、「黄金比」と呼ばれる本文と見出しの比率が1:1.6になる手法もありますが、遠くから見ても美しく見やすいレイアウトになっているかがポイントです。上述したお店のターゲット層なども考慮し、お客さんに理解しやすいレイアウトを検討しましょう。
お店の印象を伝える適切な書体選び
看板の書体選びには、視認性や可読性といった基本的な要件の他に、お店の雰囲気を適切に伝えられるかどうかがポイントになります。
看板にはインパクトが求められることから、線が太く視認性の良いゴシック体が用いられることが一般的です。また、ゴシック体は雨に濡れたり、経年劣化した状態の看板であってもある程度読み取ることができる点も、看板に多く採用されている理由のひとつです。
一方、明朝体はとめやはらいがしっかりと認識でき、和風で真面目な印象を受けます。他にも手書き風の書体や近未来風の書体など、独特の書体が無数に存在します。
看板の書体はお店の第一印象に直結するため、慎重に選ぶべきです。イラスト作成ソフトなどで看板をデザインする際は、無数にあるフォントをひとつずつ見て検討し、お店に合ったものを選ぶと良いでしょう。
まとめ
看板のデザインは、お店の雰囲気を人々に伝える重要なツールです。お店のターゲット層を明確化し、お店に何が求められているのかを理解することによって、最適なデザインが浮かび上がってきます。
本記事の内容を参考に、お店の第一印象をより良いものにするレイアウトを考えてみてください。