看板は長期間同じ場所に設置するため、数年も経つと腐食が進み、危険やブランドへの印象低下をもたらします。そのため、看板は定期的にメンテナンスを行う必要性があります。
今回は、看板を放置することによる危険や不利益について解説するとともに、平均的な看板の寿命やメンテナンスの頻度を看板の素材ごとに分けてご紹介していきます。
看板をメンテナンスする必要性
看板は、危険性やお店の印象への悪影響という観点から、定期的にメンテナンスを行う必要性があります。それぞれについて、具体的に解説していきます。
看板落下の危険性がある
看板のメンテナンスで最も気を配る必要があるのは、看板落下の危険性がないかどうかです。全国では毎年数十件の事故が生じており、その多くは内部腐食や台風・強風などが原因になっています。
看板に痛みが蓄積され、落下の危険性が高い看板には、①錆が顕著に見られる、②看板のシート・表示面に変色が見られる、③強風や振動にさらされるとぐらつく、④結合部のボルトに変色が見られる、などの特徴が出てきます。
このような特徴が確認できた際は、安全点検のタイミングであると言えます。
看板の安全点検は、専門の業者に依頼することになります。点検の内容は予算に応じて様々な組み合わせがありますが、目視点検のほかに触診点検、内部の腐食状況の点検、錆確認などがあります。看板の設置年数や状況に応じて検討しましょう。
看板の落下事故は、特に日光を長時間受け、台風が多い沖縄から九州地方で生じる危険性が高い傾向にあります。この地方では得に台風が上陸する初夏を迎える前に点検をしておくと良いでしょう。
汚れた看板はブランドの印象を損なう
みなさまも街で錆びだらけの汚れた看板を見たことがあるのではないでしょうか。このような腐食の進んだ看板を見てお店に良い印象を持つ人はそう多くはないはずです。
お店に「良い印象」を持ってもらうためには、清潔さや美しさ、新しさなどの要素がカギになってきます。看板を汚れたまま放置しておくと、店にそうした印象を持たれず、結果として看板を設置したことによって逆効果が生じてしまう恐れもあります。チェーン店などでは、他の店舗の印象も悪くなってしまうなど、連鎖反応が生じてしまうこともあります。
看板はお店の「顔」として多くの通行者に認知されます。だからこそ、清掃点検など定期的なメンテナンスを行うことによって、お店のブランドを守っていく必要があるのです。
看板の平均的な寿命
ここからは、看板の素材ごとの平均的な寿命をご紹介していきます。
看板は一般的に金属、面板、シートの3つの素材から成り立っています。お使いの看板の素材が目安の耐用年数を超えていないかチェックしてみましょう。
金属の耐用年数
金属の耐用年数は比較的長く、一般的に15年程度であると言われています。
金属は看板のフレームや支柱部分に用いられ、衝撃などに対して強い反面、水に弱く、腐食や錆が進みやすい特徴があります。表面に少し錆が見えるだけであれば大丈夫だと思っていても、内部で腐食が進んでいるケースもありますので、10年に1度程度の頻度で点検を心がけ、落下などの重大な事故にならないようにしましょう。
面板の耐用年数
面板に用いられる素材は、アルミ複合版、アクリル板、ターポリンの主に3種類があります。
アルミ複合版、アクリル板はいずれも3~5年程度の耐用年数で、ターポリンはやや耐用年数が短く、3~4年程度となっています。
面板は気温の変化や日当たり、寒暖差などによって、面板の伸縮が激しくなり、一般的な耐用年数よりも短くなるケースがあります。設置場所の環境を考慮し、場合によって目安の耐用年数よりも早めに安全確認を行うようにしましょう。
シートの耐用年数
看板のシートは、短期、中期、長期の耐用年数ごとに製品が販売されています。
短期のシートは1~2年、中期のシートは2~3年、長期のシートは5~6年ごとにメンテナンスを行う必要があります。
シートも面板と同様に、日当たりや気温など外部の環境によって耐用年数が短くなることがあります。日当たりが特に良い場所に長時間シートがさらされると、シートが激しい伸縮を繰り返し、結果として表面のひび割れや色褪せなどを引き起こします。
シートの劣化は目視で確認でき、安全性というよりは看板の印象を左右する場所であるため、印象が損なわれるような感覚を覚えた時に交換すると良いでしょう。
まとめ
これまでご紹介してきたように、看板のメンテナンスは落下などの重大な事故を防ぐためだけではなく、お店の印象を良く保つためにも必要不可欠です。
また、看板は金属、面板、シートのそれぞれに目安となる耐用年数があり、設置環境などを考慮しながらメンテナンス時期を見計らう必要があります。
メンテナンスは耐用年数の目安よりも早く行って損をすることはありません。思わぬ事故やトラブルを生じさせるリスクを減らすためにも、早めの対処を心がけ、常に安全で清潔な看板を維持していきましょう。